さらば桜また逢う日まで

落語

  

「花見の仇討」 あらすじ

長屋に住む4人の男が花見の趣向として、仇討の仮装芝居を考えた。


巡礼に身をやつして仇を求める兄弟が諸国を旅した末に、花見の会場で親の仇である浪人に遭遇する。「いざ尋常に勝負勝負!」「敵討ちとは片腹痛い、返り討ちにしてくれるわ!」

そこへ旅の六部が割って入り、兄弟と浪人を諭す。そして皆で酒を酌み交わしてお開き、という筋書きだった。

花見の当日。六部役の男が旅姿になって会場に向かう折り、三味線を借りようと親戚の元を訪ねる。ところが六部姿の男を見た親戚は「親を捨てて旅に出るのか」と説教したうえ、無理に酒につき合わせる。もともと酒に弱い六部役の男は、そのまま酔い潰れて寝込んでしまった。

そんなことは知らない巡礼兄弟役と浪人役は、花見の会場で六部を待ちわびていたが、来る気配もない。3人は仕方なく「親の仇ぃ!」と叫んでなれ合いの斬り合い芝居を始める。           そこへ通りがかった武士が本物の敵討ちと勘違いし、抜刀して助太刀を申し入れる。

驚いた3人は揃って逃げだす。「おかしな敵討ちですねぇ。敵と一緒に逃げ出すなんて」と見物人が呆れる中、それを追いかける武士は叫ぶ。                            「逃げるには及ばん、五分と五分だ。」                           「肝心の六部が来ないんです!」

「花見の仇討」の場所を上野の山という設定で演じている落語家さんが多いですが、江戸時代このような遊興が許されていたのは、向島と王子の飛鳥山だけだったようですね。林家彦六師、十代目・金原亭馬生師は飛鳥山の設定で演じてました。

「花見の仇討」に関しては私が聴いた限りでは十代目・馬生師演が一番印象深いですね。昭和53年の4月のNHK東京落語会のトリで演じ、NHKラジオ「放送演芸会」で演じられた音源をカセットに録音して何べんも聞きましたが、師の魅力の一つはおとなしく地味な語り口ながらも情景描写には一種のスケールの大きさが感じられるところだと思うのですが、「花見の仇討」はそんな魅力の生きた噺の一つだと思います。                                          後半の飛鳥山の件では観客席は爆笑の渦ですね。

実は王子は通勤電車で必ず通るところなんですけどなんだかんだ言って素通りしてしまっているところなんです。                                         花見のスポットの一つとして桜の季節に一度と思いながらも4月8日にネット情報で見てみたら「散り始め」となってました。「ああ間に合うかな。」と思いながら、4月10日に都合つけて出かけて撮った写真の一部が下記です。

確かに散り始めてはいますけど、スマホ、カメラ片手に見て廻るには十分な美しさというより、満開とはまた違う風情ありと私的には思いますね。 満開で晴れた日は最高でしょうね。

紫陽花の季節がまた良いと聞いてますので5~6月にまたきてみたいです。

桜はまた来年の満開の時期を狙っていきます。

「さらば桜よまた来年の満開の時期に会おう。」という想いで帰りにかの有名な扇屋に寄って「厚焼き玉子」を買い、昨夜はこいつと蒲鉾と沢庵で一杯飲りました。

コメント

  1. 立花家蛇足 より:

    あらっ!? 王子にいらしてたらお声がけ頂ければ駆けつけましたのに……。

    扇家の卵焼き、甘過ぎませんでしたか?
    あたくしは根っからの江戸モンなので甘い卵焼きは大歓迎です。
    王子には他にも、久寿餅(くず餅です)の石鍋商店、飛鳥山関の甘納豆などチョイと余所では食べられないようなものもありますので、是非またお立ち寄り下さいまし。
    これからお暑くなりますので、名主の滝で涼をとるのも良いですね。
    大きなお世話のリンクを張っておきます。
    http://www.oji-ishinabe.co.jp/index.html
    https://www.sugamo-sk-ennoichi.jp/detail/?id=2051
    別にあたくしは王子商店会の回し者ではありません。m(__)m

    さて『花見の仇討』ですが、あたくしも十代馬生さんのが一等好きです。
    仇の侍役が待ちくたびれて煙草を吸いすぎヨレヨレになる様子が大好きでした。
    記事をものしてますので、お暇な時のお目汚しにでもどうぞ。(^^)
    https://ameblo.jp/tachibanaya-dasoku/entry-12795926242.html

    • ヌーベルハンバーグ より:

      立花家蛇足さん。
      コメントありがとうございます。
      王子のお住まいでしたか。
      記事にも書きましたが紫陽花の時期にまた来たいと思っております。
      「扇屋」の厚焼き玉子は思った通りの甘さでした。
      江戸時代からの老舗や名物は結構、甘目の味が多いのではないですかね。
      コロナ禍で閉店してしまった歌舞伎座前の「辨松」の「強飯弁当」のおかずの「煮しめ」もそうでしたし、「べったら漬け」もかなり甘いし。
      「扇屋」の「厚焼き玉子」は酒の肴としておいしくいただきました。
      他に「親子焼」という鶏そぼろ入りの卵焼きもあるとのことで次回はそちらを買ってみます。
      記事には書きませんでしたが「王子稲荷神社」にもお詣りに行きましたので、石鍋商店の前は通りかかりました。
      「久寿餅」も美味しそうでしたが「あんみつ」も何か気になりましたね。
      関の甘納豆。是非次回チェックしたいですね。
      「明烏」で食べられている「甘納豆」もこういう店で作られているのかな。
       八代目・桂文楽師の動画を見ると口の中でとろけてるんじゃないかと思わせるようなかなり良い「甘納豆」を食べてそうだし。

       私が出かけたその日は「中央工学校」の入学式の日でもあったようです。

       十代目・金原亭馬生師の「花見の仇討」。
       記事に書いたNHKラジオ「放送演芸会(NHK東京落語会のトリ)」のそれは仇の侍役の熊さんはタバコを吸いすぎてヨレヨレどころ「紫色」になっちゃったという設定で、それが後に上手く生かされてましたね。
       
        侍 「討つ者、討たれる者の面体は?」
        町人「討たれるやつは侍らしいんですがね。強そうですよ。何しろ『紫色』の顔してますから・・・・・・・・。」
        
        でまた客席がどっと湧いていたのを覚えてます。
        

タイトルとURLをコピーしました