「夜桜見物」はタフでなきゃ・・・・・そして「三道楽煩悩」。

落語

「夜桜」 あらすじ

春の頃。父親が吉原から三日ぶりに帰って来た息子をとがめると、息子は「夜桜を見に行っていた」とごまかす(桜並木の夜見物は、吉原名物であった)ので、父親は親孝行の大切さについて長い説教をする。

父親は無尽講仲間との酒宴が遅くなり、つい魔がさして吉原の妓楼に入ってしまう。          折りしも息子も店を抜け出し、同じ妓楼にあがると、芸者や幇間はひとりの客にかかりきりだというので、息子は「その粋(いき)な隠居と一緒に遊びたい」と提案する。                       幇間が、隣の座敷を用意し、「夜桜」を踊っている最中にふすまを開いて対面させる、という趣向をスタンバイした。ふすまが開き、親子がお互いを認めて驚き狼狽する。               父親が息子に向かって、 「博奕はするなよ。」

吉田章一先生が以前に、「名人が他界すると幾つかの噺を一緒に持って行ってしまう。『夜桜』も八代目・桂文治師が後世に残さなかった噺の一つである。」という旨のことを書いていたのを読んだことがあります。                                         従って「夜桜」という落語は「ドラえもん」のようなキャラが実在して過去へタイムトラベルでもしない限り聴けない噺だとばかり思っていたのですが、You tube、ニコニコ動画で八代目・文治師演を聴けるのはありがたいですね。                                  挙げて頂いた方に感謝です。聴いてみると父親が吉原の妓楼に入る直前に若い酔っ払いとその友達が「夜桜見物」しながらあれこれ言う件の描写は「鮮やかさ」を感じさせますね。

元の噺の「親子茶屋」は関西では三代目・桂米朝師、三代目・桂春團治師、五代目・桂文枝師、二代目・桂枝雀師の後も現・桂文珍師、現・桂米團治師、現・桂吉弥師、現・笑福亭生寿師といった多くの落語家さんたちによって演じられているようですが、関東の「夜桜」は演じている落語家さんはいないのではないでしょうか。

タイトルのすぐ下の写真は前回撮影した近所の桜を夜に撮影したのですが風情は出てますかね。         「夜桜見物」は私自身以前の勤務先の仲間と二度行ったことがあります。               二度目の時は重要無形文化財の城の近くでだったのですが寒かった~。                                 夜桜の風情楽しめるムードではなかったですね。

上のイラストや上記の落語の登場人物みたいに「夜桜」を楽しめる人は「寒さ」に強いタフな人なのでしょうかとすら思ってしまいます。

ずいぶん以前にアサヒビールが「生とっくり」というビールを発売していたことがありますが、あのビールをあの容器ごとぶら下げて「夜桜見物」に行ったら風情ありかな上野公園あたりでやってみたいなu現在の私は想像しただけで「寒~っ。」です。                        「夜桜見物」をするほど寒さに耐える力のない私は昨夜は宅飲みしました。              この春から始まったNHK連続テレビ小説「あんぱん」の主演女優は今田ちゃん。

ラマ10「しあわせは食べて寝て待て」の主演女優は井ユキちゃん。

幸い両ドラマとも録画してあるのでドラマの美しいを眺めながら一杯飲みました。

話は落語の「夜桜」「親子茶屋」に戻ります。                         最初三代目・桂米朝師演の「親子茶屋」で「必ず博奕はならんぞ。」のサゲを聴いた時、当時高校生だった私がラジオで途中から聴いたということもあって「?」でした。               録音してあったので最初から聴くと先ずマクラで「三道楽煩悩」について説明しているのですね。  「飲む(酒)」「打つ(博奕)」「買う(女)」の内、「飲む」「買う」の道楽はせがれの目の前でやってしまっているのでやむなく、「博奕だけはするな。」といっているわけですね。

 三代目・米朝師も三代目・春團治師も男の「三道楽煩悩」に関して、女性の好きなものして「芝居」「こんにゃく」「芋」「たこ」「なんきん」を挙げてましたね。                「ご主人がキャバレーで10万円も20万円、奥さん負けん気になって『焼き芋』10万円・・・・・食べられやしまへんで。」と演ってました。

 しかし「飲む」「打つ」「買う」に関しては最近では女性のほうが凄かったというケースをよく聞きますな。                                      大物女性芸能人が「ホ〇トクラブ」で高額の「シャンパン」を何本も抜いたり、贔屓のホ〇トに貢いだり・・・・・・・。 

                                              その額を聞くと「しわいや」の私は真っ青になります。                     ごく最近捕まった「い〇だき女子」もそうだったとか。                     「打つ」に関してもパチンコ、パチスロ等にはまって、ン百万円の借金を作ってしまうのは「男」だけではないみたいですからな。

「打つ」に関しては最近「オ〇ラインカジノ」で吉本の芸人さん数名が書類送検されるという事件がありましたが、一つ間違えたら「お縄」になりかねないのですからそこは見極めないとね。

 三代目・三遊亭金馬師が得意にした「唐茄子屋政談」の本所の叔父さんのセリフを借りて言うなら「酒も吞みなよ博奕も打ちなたんと稼いだはしただけ」                        何事もほどほどがよろしいようですな。

コメント

  1. 立花家蛇足 より:

    『夜桜』の演題では関東の噺家は高座に掛けていないようです。
    あたくしのデータベースによると、
    ・1983年 落語研究会 四代三遊亭金馬(後の金翁)
    ・2015年 紀伊國屋寄席 林家正雀
    『親子茶屋』を掛けてます。

    古い速記では、三遊亭圓右(後の二代圓朝)がこれも『親子茶屋』を遺しております。

    • ヌ―ベルハンパ―グ より:

      立花家蛇足さん
      コメントありがとうございます。
      あれから、You tubeで見たら「親子茶屋」の現・林家正雀師演と現・古今亭駿菊師演の動画があったので聴いてみました。
      場所は柳橋でしたね。
      後半の遊びは現・駿菊師は関西の方の通り「狐釣り」、現・正雀師は「仮名手本忠臣蔵・七段目祇園一力茶屋」を模した「鬼ごっこ」の遊びになってました。
      「狐釣り」は現代の人でも稲垣吾郎君が主演していたドラマ「陰陽師」を視ていた人なら「あの世界か。」とピンとくるでしょう。
      「夜桜」「七段目」「狐釣り」のうちでどれが一番「江戸」らしいのでしょう。
      また、初代・三遊亭圓右師、二代目・三遊亭金翁師がその件をどう演じていたか興味ありますね。

      • 立花家蛇足 より:

        ゴメンナサイ!
        一点訂正です。
        圓右の演題は『廓の夜桜』です。
        文芸倶楽部1913年4月15日号「花づくし特集」に掲載されてます。
        残念ながら復刻されてませんので、古書を求めるか国会図書館デジタルで複写を申し込むしかありません

  2. ヌ―ベルハンパ―グ より:

    立花家蛇足さん
    ありがとうございます。
    勝手な推測ですが初代・三遊亭圓右師の「廓の夜桜」を何かの流れで八代目・桂文治師に引き継がれているのでしょうかね。
    しかし、八代目・文治師の持ちネタ「義太夫息子」「ざる屋」など関西のネ
    タを自ら移行したものがありますからね。
    「親子茶屋」そのものを導入して江戸前の「夜桜」に洗い直した可能性も大ですね。

  3. 立花家蛇足 より:

    八代桂文治へは、養父でもる六代文治からでしょう。
    https://dl.ndl.go.jp/pid/915888/1/43

  4. ヌ―ベルハンパ―グ より:

    立花家蛇足さん
    ありがとうございます。
    なるほど六代目・桂文治師の速記があるということは、そこから継承されている可能性の方が大ですね。
    二代目・金翁師がどんな風に演じていたかも興味あるところです。

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