暦では今年2026年の「初午」は2月1日だそうで。 「初午」で「お稲荷様」のお祭りにということを、どちらかというと「不信心」な私は落語などで漠然と聞き流していたのですが。暦では今年の「初午」は2月1日だそうで。 「初午」で「お稲荷様」のお祭りにということを、どちらかというと「不信心」な私は落語などで漠然と聞き流していたのですが。

へい、すみません。
今回は「初午」に因んで以下の噺を取り上げたいと思います。
王子の狐
ある男、王子稲荷に参詣した帰り道、
一匹の狐が美女に化けるところを見かける。どうやらこれから人を化かそうという肚らしい。

ある男、王子稲荷に参詣した帰り道、一匹の狐が美女に化けるところを見かける。どうやらこれから人を化かそうという肚らしい。

そこで男、「ここはひとつ、化かされた振りをしてやれ」と、大胆にも狐に声をかけた。「お玉ちゃん、俺だよ、熊だ。よければ、そこの店で食事でも」と知り合いのふりをすると、「あら熊さん、お久しぶり」とカモを見付けたと思った狐も合わせてくる。

かくして近くの料理屋・扇屋に上がり込んだ二人、油揚げならぬ天ぷらや刺身などを注文し、差しつ差されつやっている。狐のお玉ちゃんはすっかり酔いつぶれ、すやすやと眠ってしまった。そこで男、土産に卵焼きまで包ませ、「勘定は女が払う」と言い残すや、図々しい奴で狐を置いてさっさと帰ってしまう。

しばらくして、店の者に起こされたお玉ちゃん、男が帰ってしまったと聞いて驚いた。びっくりしたあまり、耳がピンと立ち、尻尾がにゅっと生える始末。正体露見に今度は店の者が驚いて狐を追いかけ回し、狐はほうほうの体で逃げ出した。

狐を化かした男、帰りがけに寄った叔父に吹聴する。
「ひどいことをしたもんだ。狐は執念深いぞ」と脅かされ、青くなって翌日、王子まで詫びにやってくる。巣穴とおぼしきあたりで遊んでいた子狐に「昨日は悪いことをした。謝っといてくれ」と手土産を言付けた。

穴の中では痛い目にあった母狐がうんうん唸っている。子狐、「今、人間がきて、謝りながらこれを置いていった」と母狐に手土産を渡す。警戒しながら開けてみると、中身は美味そうなぼた餅。
子狐「母ちゃん、美味しそうだよ。食べてもいいかい?」 母狐「あ、食べるんじゃない!馬の糞かも知れない!」

原話は1712(正徳2)年『笑眉』の「初心なきつね」だそうです。亀戸の藤見に行った狐が人間にご馳走になるという設定だそうで。穴へ帰って親狐に報告すると、「黙りやれ、それは馬糞であろう」というもの。その他多くの笑話集にある。1807(文化4)年喜久亭壽暁の『滑稽集』に「馬糞」、1861(万延2)年の桂松光の『風流昔噺』に「狐人げんにばかされる 但しまいげぬらし落」とあるそうです。狐の方が眉毛を濡らして化かされないようにするという逆さ落ちだったようしょう。私がナマで聴いた五代目・柳家小さん師、二代目・三遊亭金翁師は折を開ける前に母狐が眉に唾をつける演出で笑いを取ってましたね。上方の「高倉狐」が同じ落ちですが。原話は江戸で、上方で京を舞台にした「高倉狐」となり、初代・三遊亭圓右師が東京に逆輸入したようです。高倉狐は高津の高倉稲荷で、高津湯豆腐屋に入って食事をするという設定です。この店は江戸からの老舗であったが、戦災で焼失してしまったそうです。
1802(享和2)年桜川慈悲成の『一粒撰噺種市』の「きつね」は、娘に化けた狐を捕らえた侍、石山鉄之進という堅物で、行く先で酒を勧められるが飲めないので、狐に代わりに飲んでもらうことにする。ところが気を遣って饅頭と茶を出してくれる所があり、石山は腹が減っただろうと、そっと饅頭を回してやるが、「ふん、どうせ馬の糞だろう」というやはり現在と同じサゲがついていたようです。
尚、王子稲荷にはちゃんと狐の穴があるそうです。
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私はこの噺は子供の時に祖母から聴きました。 落語としてではなく「人がキツネをだます」民話そして。「王子の狐」という落語なんだと知ったのは講談社のフクロウ文庫シリーズのたしか「日本のわらいばなし」という本を通じてでした。
落語として聴いたのはNHKラジオ「思い出の芸と人」で八代目・春風亭柳枝師演が最初でした。 その後「NHK東京落語会」で五代目・柳家小さん師演、二代目・三遊亭金翁師演をナマで聴き、ラジオやCD、ネット等で五代目・古今亭志ん生師演、十代目・金原亭馬生師演、五代目・三遊亭圓楽師演を聴きました。
五代目・小さん師演では、「お玉ちゃん?」と声をかけられた美女(実ハ狐)が「あら、おにいさん。しばらく。」と返事する件に一種のケレン味を感じさせてくれました。
大部分の演者は主人公の男は狐が化けた美女に以前の知り合いの娘ということで声をかける設定になってますが五代目・志ん生師演では知り合いの清元の師匠として声をかけてます。
十代目・馬生師演、二代目・金翁師演では主人公の男が「初午」の日に吉原に居続けして翌日帰ってきて、叔母(あるいは母親)から「この罰当たり!」と叱責されお詫びで王子稲荷にお詣り来たところたまた狐が化けているところを見て・・・・・・・という設定になってます。
初午(はつうま)」は、暦の上で最初の「午(うま)」の日を指します。「午」は十二支の一つで、古代の暦では日付や時刻を十二支で表していました。このため、2月の最初の「午の日」を「初午」と呼ぶようになったそうです。 。
和銅4年(711年)、稲荷神が伏見稲荷大社に降臨したとされる日が2月の初午の日でした。これを記念して「初午」は稲荷信仰の象徴的な日となり、以後、全国の稲荷神社で祝われるようになりました。 初午祭は、五穀豊穣や家内安全を願う特別な行事です。この日には農作物の成長や地域の発展を祈る神事が多く行われます。
「明烏」 でも主人公が「初午」の日に地主の息子である主人公が差配の「稲荷大明神」の初午祭にお盛りものを納めに行っているところから噺は始まってますね。
昔は「初午」で祭りのない日は王子稲荷の周辺はほとんど人気がなかったところだそうですね。 ですから、この噺も暦の上は「初午」の翌日でこのブログを記している2026年においては2月1日が初午の日ですから、翌日の2月2日の噺ということになるのですね。最も旧暦の2月は現代の4月に当たるそうですから、冬型気候の時期の噺ではなく桜も咲き始める春の陽気の時分の噺でしょう。 自然科学的に「王子の狐」も今は冬眠しているんじゃないかな。

この2026年2月1日に「王子稲荷神社」の初午祭りに行ってまいりました。


王子近辺は仕事の帰りにちょくちょく寄り道するのですがこの日は普段の倍の賑わいでしたね。
また王子稲荷神社の初午の日には火事除けのお守りとしてとして「凧市」が行われているのですが

今回の私の予算外だったことと散らかっている我が家では収納場所に困るので代わりに

「たこ焼き」買って食べました。
何なんだつーの!

扇屋の卵焼きも買って帰ろうかなと思ったのですけど。午後1時からの開店だったので2時に約束のある私は今回はあきらめて帰りました。
「名主の滝公園」も寄ったのですが

「再生整備工事に伴い、令和7年8月4日から滝は停止中」にはちょっとガッカリ。令和10年3月末までの予定らしいから、それまで身体大事にして健全に観に行きましょう。
しかし、水が流れてなくても


この景観ですから流れていたらもっと見事な眺めでしょうね。
温かい陽気になったらどんな花が咲くのかな。


コメント
王子稲荷の凧はあたくしの家にもあります。
柱の穴隠しに使っておりまして、穴が隠れて火の用心になります
名主の滝はあたくしが中学の頃は泳いでました。
今は当然禁止みたいですね
立花家蛇足さん
コメントありがとうございます。
名主の滝で泳げたのですか?
では私が想像している以上の水量なのですね。
令和10年がまた別の意味で楽しみ、